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9/19(日)大塚国際美術館 [旅]

徳島県鳴門市、大塚国際美術館に行ってきました。ここは世界の名画を陶板に複写し展示した美術館で、「本物の絵」は一つもありませんが世界中の名画がものすごい数集められている、という他所にはない独創的な美術館です。

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まずはエントランス。ですが車で行った場合、ここにたどり着く前に、美術館の前を素通りしてちょっと離れた駐車場に止め、シャトルバスでここまで来ることになります。行ったのは休日だったのでお客さんも多く、何台ものバスがピストン輸送してくれたので心配は要りませんでした。

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長ーいエスカレーターを上っていくとそこからが展示フロアですが、そこがB3Fというから何だか感覚が狂います。ここは、半ば山に埋まっているような美術館なので地階が多いことになるのでしょう。

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B3Fは古代から中世までの系統展示と、環境展示としてシスティーナ礼拝堂などがあります。受付を過ぎるとすぐに「アートくん」というロボットがいて、きっとクイズでも出してくれるのだろうと思っていると

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アートくん、ひとりでに動き出しました。彼はじっとしているだけでなく、定時になると動き出して、B3Fの見所を案内し絵の解説をしてくれるのです。

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こちら、システィーナ礼拝堂で解説をするアートくんと、取り巻くギャラリー。その視線の先は...

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聞きしに勝るど迫力。これだけのスケールのものを再現したとは、本当にすごい。正面、側壁、天井と、巨大な絵を陶板に複写して再現しています。この空間に入ると複写云々など問題ではなく、荘厳な雰囲気に包まれます。一つ上のB2Fバルコニーからも見ることができ、そちらもお勧め。

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こちらはスクロヴェーニ礼拝堂で、システィーナに比べると規模は小さいですが、天井の青が見事。皆こうしてうっとりと見上げてしまいます。

B3Fは古代・中世の展示がほとんどなので馴染みがうすいですが、飛ばさずにじっくり見てみるといろいろと見所があります。とはいえ、途中にフェルメールやエル・グレコの部屋があり知っている絵が出てくるとちょっとほっとします。

B2Fに上がるとルネサンスからバロック、そしてB1は近代と、どんどんなじみのある絵画世界になってきます。小部屋が連なる方式で、色々な画家の手による「受胎告知」ばかり並べた部屋、ベラスケス、レンブラント、ゴヤ、ルノワールなど画家ごとの部屋、など普通の美術館では考えられない豪華な組み合わせがたまりません。

そして何といってもこの美術館の最大のお勧めポイントは「大きな絵を実物大で見ることができる」ことだと思います。

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この「最後の晩餐」など、有名どころは言うまでもありませんが、

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たとえばこういうサイズの絵がゴロゴロしています。(ちなみにこの絵はベッリーニ「サン・マルコ広場の聖十字架遺物の行列」)
日本の美術館の企画展で海外から絵を集めて展示する場合でも、こういうサイズのものはなかなか来ないと思います。こういう絵を実物大で見ると、迫力はもちろんのこと、ディテールをじっくり眺めるのも楽しい。僕はディテール好きなので、この絵の中にある人物数百人?をきっちり描き込んでいるところなんかに感心するたちです。

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左はベラスケス、右はリゴーによる肖像画ですが、観ている人の大きさと比べてみて。その人をまさに実物大(もしくは+アルファ)でキャンバスに描き移すことをやっていたのですね。

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これはルノワールの「都会のダンス」「田舎のダンス」ほか代表作がずらっと並べられているコーナーですが、この2つのダンスの絵も等身大で描かれていることが分かります。

システィーナ礼拝堂や最後の晩餐、ゲルニカなど超有名どころだけでなく、あちこちにある「大きな絵」。これこそ、この美術館ならではの楽しみだと思います。

ダヴィッドの「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠」、ジェリコーの「メデューズ号の筏」なども、大きさに圧倒されること請け合いです。(しかもこの2つの絵が同じ部屋に同居しています!)

一方で、本物でないことの弱さが出る点というと、陶板の大きさの制約のため継ぎ目があり線が入って見えること、それと絵の具の立体感がないこと、これが大きな欠点でしょう。
ルネサンス期ののっぺりした絵ならそんなに気になりませんが、印象派や点描など絵の具の立体感が絵そのものの見え方にもつながるようなものについては、かなり雰囲気が変わってしまうことは間違いありません。まあ、印象派あたりに来たときは歩き疲れているし、知っている絵がほとんどだし、巨大な絵もないし...。なので、この辺は好みに応じてさらっと眺めるだけでもいいかもしれません。

ということで、歩きに歩いて5~6時間。昼食難民になりかけたこともありましたが、たっぷり満喫しました。また来たいな。


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