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消防庁、自衛隊による放水作業について [震災]

19日から始まった東京消防庁ハイパーレスキュー隊による放水作業は、今日22日現在4回目となっています。自衛隊も放水を行っており、おかげで使用済み核燃料プールは小康状態を保っています。

旧聞に属しますが、週末のニュースのハイライトとなったのが、レスキュー隊隊長の会見でした。
「日本の救世主になってください」「信じて待っています」という奥様の激励メール、涙ながらに隊員の家族に心配をかけたことをわびる隊長。

でも僕がいちばんグッと来たのは「隊員は非常に士気が高く」というくだりでした。

消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)の誕生と役割については東京消防庁のQ&Aのページに記載されていますが、震災救助、化学災害、航空機災害など大規模特殊災害に対して救助・消火・救急活動を同時に行える部隊として発足したものです。

ここには、原子力・放射線災害までは書かれていません。

原発に駐在している東京電力および協力会社の社員は原子力専門家、自衛隊も核兵器対応部隊を持ち核の専門家がいますが、最初に放水を試みた警視庁とこの消防庁は、おそらく平常時に放射線対策の特殊訓練等は受けていないものと思われます。

まさしく「目に見えない敵と戦う」心境だったのでしょう。普段対峙している火災は、火や煙という目に見え、熱を感じ、においがあり、息苦しさを覚える。五感で危険を感じ取ることができるのに対し、放射線はそれが全くない。

相当な緊張感だったと思いますが、そんな中で「隊員の士気が高かった」ことはすばらしい。まさにプロです。未体験の危険に対峙しながら、恐怖心をコントロールし、冷静にミッションをやり遂げる。隊長は、部下の士気を誇りに感じていることと思います。

一方で、隊長には「危険を管理する」ことも求められています。放射線の数値をウオッチし、管理値を超えないよう、隊員の作業をコントロールする。もし、途中でやめざるを得ないところまで放射線量が高まってきたら、躊躇なく作業をとめ、退避する。たとえ隊員が「あと少しです、もうちょっとやらせてください」と懇願したとしても。

自分の身を投げ打って「日本の救世主」になる必要はない。原発に対峙しているのは一人、一部隊だけじゃない。無事に帰ってこそミッション達成だ。

無事に一仕事終え、部下を全員無事な姿で連れ帰ったからこそ、涙の会見となったのでしょう。

レスキュー隊員にあらためて拍手を送ると共に、表に出て語ることなく粛々と放水を続ける自衛隊員にも、最敬礼をささげたい。

皆さんの努力で、原発危機はいい方向に向かっています。あと少しですが、決して無理をならさぬよう。そう遠くないうちに、「日常」は戻ってくるはずです。


タグ:震災
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