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3/9(金)岳南鉄道 貨物列車の引退 [鉄道]

先週末、職場の後輩の結婚式で東京に行くことになりました。まっすぐ飛行機で行くもよし、新幹線で行くもよしでしたが、気楽な一人旅ゆえ寄り道も可です。

ちょうど3月17日のダイヤ改正を前に、全国いろいろなところで列車・車両の引退、新旧交代の時期であり、鉄道ファンが各地にあふれる時期でもあります。メジャーどころでは新幹線100系・300系の引退、寝台特急日本海・寝台急行きたぐにの定期運行終了、小田急でロマンスカーHiSEなど3車種の引退などありましたが、今回選んだのは貨物営業を終了する岳南鉄道と、引退する2軸貨車ワム80000という地味なセットであります。

岡山から「のぞみ」ではなく「ひかり」でのんびりと静岡へ。静岡では、ちょっと贅沢をして富士まで特急「ふじかわ」に乗るのもいいな、と思っていたら身延線で不通区間があるため「ふじかわ」は運休中とのこと。失礼しました。

10時半頃に静岡駅に着きましたが、タッチの差で熱海行きを逃すと、この時間2本に1本は興津止まりのため、富士・三島方面へは20分以上待ちとなってしまいました。静岡では問題なく座れたものの、途中乗車客も意外と多く、ずっと立ち客がいる状態でした。

富士の次、吉原駅にて岳南鉄道に乗り換えです。

岳南鉄道7000形

この面構え、学生時代を思い出すなあ。京王井の頭線からの譲渡車、7000形です。改造を受けてチョコンと1両だけの編成になっています。ヘッドマークは、この翌日3/10開催の機関車・電車祭りのものでした。

平日昼間、車内はまばら。あいにくの雨の中、電車はのんびりと進んでいきます。沿線は工場が多く、特に岳南原田-比奈間は両側を工場に囲まれてまるで工場敷地内鉄道のような風情です。

比奈駅では、雨にも関わらず数名の鉄道ファンがホームから写真撮影。驚いている地元の老婦人に、電車で移動中の鉄道職員さんが「今日は雨だからこんなもんだけど、晴れの時はもっとすごいよ」と言っていました。乗客の中にも鉄道ファンがいて、数名この駅で降りていき、ようやく地元らしい客層になりました。

僕はといえば、とりあえず終点の岳南江尾まで乗り通すことにしました。結局、終点まで乗っていたのは僕のほかにもう一人、やはり同様に乗り鉄&貨物目当ての人で、駅についてドアが開くたびに駅名標を写真に収めていました。ただし、整理券箱の近くで撮っていた時は運転手さんに注意されていました、皆さんも一般客の邪魔にならないように気をつけましょう。

岳南江尾駅

岳南江尾駅のホームから駅舎を見たところ。今は無人駅ですが、昔ながらの駅舎がそのまま残っています。JRの小さな無人駅など昔の駅舎をつぶして簡素な待合小屋程度になっている駅が多い中、こういう感じの駅が数多く残るのは地方私鉄ならではでしょうか。

岳南鉄道8000形

岳南江尾駅では2両編成の8000形が休息中、こちらも井の頭線顔です。朝夕ラッシュ時に走るようです。

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ホームの上、次の電車の発車番線表示は味わいのある手作りのものでした。8000形が発車するときは向きを変えるのかな?

5分ほどの折り返し時間は慌しく過ぎ、折り返し電車に乗って比奈駅へと向かいました。

岳南鉄道 比奈駅

こちら比奈駅も岳南江尾駅と似た雰囲気の駅舎がありますが、こちらは有人駅です。といっても、貨物取り扱いのなくなる3月17日以降は無人駅になるとのこと。ここでも長い歴史が一つ幕を降ろすことになります。

岳南鉄道ED501,ED403

まるで電車基地まつりのようなアングルの写真ですが、ホームから駅舎へは線路を横断して渡るので、こういう写真が撮れます。左のED501は博物館から抜け出してきたようなクラシックないでたちの機関車ですが、れっきとした現役です。後ろに連なっているのは2軸貨車ワム380000、昔はどこでも当たり前すぎるくらい見ることのできた貨車ですが、コンテナ化の波には勝てず、こちらもこの3月17日改正で運用終了となります。

岳南鉄道ED402

もう一つの側線にはED402、少し離れてコンテナとワムの編成が控えています。

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ヘッドマークは「貨物輸送終了記念」のもの。会社としては業容縮小となるばかりか、残された旅客営業だけでは経営が非常に厳しいという話も聞こえてきます。貨物輸送に携わっている社員さんたちにとっては仕事場がなくなるわけで、辛い思いをされていることと拝察しますが、それでも最後の花道を飾ってやろうという心遣い、心意気が感じられ、最初で最後の訪問になるであろう僕らのような者でも胸が詰まります。

s-DSC_2433.jpg

写真で白い斜めの線が入っているのが分かるでしょうか?時折強くなる雨の中、ホームには少なからぬ数の鉄道ファンが陣取っています。

s-DSC_2432.jpg

引きで見るとこんな感じ。遠目には乗車を待つお客さんのようにも見えますが、電車が到着し発車しても全く数は変わりません。むしろ増えるぐらいです。

岳南鉄道ED501

さてそうこうしているうちに、機関車が動き出し、貨車の入れ換えが行われるようになりました。クラシックカーED501も堂々と現役ぶりを見せてくれます。職員さんの仕事ぶりが何ともクール。

岳南鉄道ED501

前の写真でいたヘッドマーク付きのED402は既に動いた後で、そこにED501が来て、後ろの貨車を引き出していきました。

この後、走っている途中に貨車を切り離し、惰性走行する貨車に職員さんが乗って、貨車のブレーキで減速しながら所定のところまで持っていき、機関車はポイントを切り替えて別の番線に進入していくという「突放(とっぽう)」作業を見ることができました。効率的ではありますが、危険を伴う作業でもあるので、今でもやっているところは少ないです。その数少ない駅がここ比奈駅ですが、それも3月16日までとなります。

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次は本線を走る貨物列車をとろうと思い、一つ先の岳南原田に移動しました。こちらは、待合室で次の電車を待つサラリーマンのおじさんが一人いるだけの静かな駅でした。

s-DSC_2463.jpg

駅前から比奈方向を向いたところですが、このように工場の真っ只中に突っ込んでいくような線路です。煙突から曇り空に煙がもくもくと吐き出されています。

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朝夕は有人駅になるそうですが、昼間は無人です。岳南江尾も比奈もそうでしたが、このように昔ながらの出札口と改札口があります。

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改札の上には、昔使われていたと思われる回転幕方式?の電車案内表示があります。昔は田舎の国鉄・私鉄の駅でもこういうのがあったなあ。

岳南鉄道ED402

さて、おめあての貨物列車の進入です。この時間になると、僕以外にも2人ほど写真撮影の人が来ていました。ワムが少なくてちょっと寂しいですが...

この後吉原駅に戻り、あたふたとJRへの乗り換え跨線橋を越えて行くと、ちょうどJR貨物のワム列車に間に合いました。

EF66 122 ワム38000

こちらも、両数が少なく寂しいものとなってしまいましたが...

ワム38000 吉原駅

構内には長々とつないだ編成もあり、せめてもの記念にと写真に収めました。ちなみに右側にいるのが今進入してきた貨物列車です。

この後東京へ向かうわけですが、その記事は次回に。


タグ:貨物 鉄道
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