5/15(土)渋い観光地巡りその2:矢掛編 [街巡り]
真備の隣町、矢掛(やかげ)。こちらにも吉備真備公園があり、真備公の館があったと伝えられているそう。この公園が「日本の歴史公園100選」に選ばれているとの情報を仕入れているので、目指してみたのだが、国道からの入り口がわかりにくく通り過ぎてしまいました。
一本道の国道、Uターンもしにくいので、そのまま矢掛の町中まで走り、行き先を矢掛本陣に変更。矢掛の町に差し掛かると大きな看板で「旧矢掛本陣 篤姫も泊まったゆかりの地」というようなことが篤姫のイラスト入りで書いてある。何だか大河ドラマに便乗した感じだなあと思いつつ、「矢掛本陣石井家」目指して狭い道に乗り入れていきました。
旧山陽道沿いにはびっしりと家が建ち並び、なんとなく閑散とした田舎町を想像していたのは大外れでした。中でもひときわ間口の広いのがここ、本陣石井家。入ってみることとしましょう。
入館料は大人400円です。
ここでは、ボランティアの観光ガイドさんでしょうか、案内・解説してくれたのでとても充実していました。
こちらはお殿様も泊まった御上段の間。正面のふすまは金箔、横のふすまは銀箔が張ってあります。年を経てくすんでいますが、江戸時代当時はさぞかしきらびやかだったことでしょう。篤姫が薩摩から江戸へお輿入れの際に泊まった記録も残っているそうで、この部屋にお泊りになったんですねえ。
同じ場所を見上げると欄間の細工が見事。ぶどうの木とりすがあしらわれています。これだけ細かく彫って透かしていながら、木はしっかりつながっているのですから、すごい技巧です。
上段の間から庭を見ます。ぐるっと建物に囲まれてこじんまりとした庭ですが、落ち着きますね。手前にあるのは水琴窟ですが、数年前から音が鳴らなくなってしまったそうです。残念。
水琴窟のきれいな音色を聞こうと思ったら、前回金田一耕助の話でも紹介した、吹屋ふるさと村の広兼邸にありますのでそちらがお勧め。
水琴窟の隣にある、ノッポさんのような灯篭が面白いですね。そして庭の右奥にはもう一つ灯篭があるのですが
こちらがまた、笠の部分は石、灯明の部分が木でできています。足の部分の石積みもいい味だしてますね。
さてこちら石井家の本業は造り酒屋。酒蔵は広々として、ひんやりしています。薩摩の殿様の持参していた風呂桶も展示してありました。お殿様が入る風呂桶は、本陣のものを使うのではなく、大名行列で持参していたのだそうです。
こちら、井戸の上屋も目を引きました。酒蔵側と屋根がつながっていて、井戸の部分には柱2本だけという開放的な造り。これでよくもつな、と思いつつも、建築的にはなんとも魅力的です。
一般の人の目は引きませんが一人感心していたのが、台所の上部の屋根。かまどからの煙を逃がすため、屋根中央に穴をあけ、雨が入らないようその上に小屋根があるつくり、これは毎日職場でお目にかかっている工場の自然換気用の「モニター」と同じではありませんか。江戸時代の建築で「モニター」に出会おうとは。。。妙に感じ入ってしまいましたが、一般の人には何のことだか分かりませんよね。
充実した時間を過ごし外に出るともう夕方。脇本陣高草家や吉備真備公園に行く時間はなくなってしまいましたが、まあよしとしましょう。
最後の話題ですが、これは石井家の目の前にある観光案内所のお店のガラスに張ってあったもの。将軍コースと殿様コースがあり、注文は将軍名、藩名・石高でお願いしますとある。
何だろう、食事のコースかな?にしても、殿様コースのほうは加賀百万石から肥前一万石まであるが、これは値段なのか?加賀コースを頼んだら一体いくらするんだ?などと想像をたくましくしてしまいました。
種明かしはコチラ、矢掛特産手延べ素麺だそうです。殿様コースは百万石から一万石までどれを頼んでも500円だそうで、一安心。
以上、矢掛本陣編でした。毎年11月にある大名行列も、ぜひ一度見てみたいものです。
コメント 0