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やったぜニッポン!W杯グループリーグを振り返る。 [スポーツ]

ワールドカップ南アフリカ大会。

開催期間中は、週末のお出かけもほとんど封印し、家に缶詰めでサッカー三昧の日々です。そのおかげで、ブログ更新もすっかり停止状態でしたが、今日は日本快勝で気分爽快、ここまでを振り返って書いてみましょう。

(1)カメルーン戦。
1-0の勝利は得たけど、試合内容はずっと我慢のし通し。それも、かつてのブラジル戦(アトランタ五輪あるいはドイツW杯)のようにサンドバッグ状態で攻められまくるのでもなく、カメルーンの方も不甲斐ないところがありありでした。
日本の攻めも、1点はとったものの、人数をかけてパスをつなぐサッカーはほとんど放棄し、シュート数も極少。

と、書いてしまえば不満たらたらになるけど、それも今振り返っての感想なので、ちょっと目が贅沢になっているのかもしれません。なんだかんだ言って試合を見ているときは手に汗握り、体は緊張し、終わったときは「勝ったよ...信じられない...」と感動していました。

ちょっと冷静になってからの感想は「まるでイタリアのような試合をして勝ったな。」「それでも、勝ちさえすれば嬉しいものだし、国民もマスコミも喜ぶんだな。」
バルセロナで、クライフが言ったんだったかな?「つまらない試合をして1-0で勝つより、華々しい攻め合いをして2-3で負ける方を私は選ぶ」という名台詞がありましたが、この日の日本は前者をとりましたね。日本人もオトナになったなあ、と少し離れたところから見ている自分がいました。

トルシエ監督時代のヨーロッパ遠征でフランスに0-5で負けた後、トルシエが「日本には守りの文化がない」と言い放ち、次のスペイン戦ではガチガチの守備的布陣を敷いて攻撃はほとんど放棄、チャンスらしいチャンスはまったく作らないがスペインの攻撃には耐える、というつまらないサッカーをしたことを思い出しました(その時は後半アディショナルタイムにバラハにゴールを決められ0-1で負けたけど)。トルシエさんはカメルーン戦で「日本にも守りの文化ができた」と思ってくれたでしょうか。


(2)オランダ戦。
親善試合で0-3で負けたときのような、前からがんがんプレッシャーをかけてボールポゼッションも互角、というような日本代表を見てみたかった(もちろん、結果が0-3では困るが)のですが、この日も日本は前回よりオトナなゲームプランを立て、ボール支配はあきらめて守り優先、人数をかけない攻めを徹底。それでも、大久保をはじめとにかくシュートを打とうという気持ちは現れており、カメルーン戦よりはシュートを打ってましたね。プランどおり前半は0-0で乗り切りました。

しかし後半立ち上がりの攻勢に耐え切れず、スナイデルにゴールを割られる。(それにしても、スナイダーとかスネイデルとか、媒体によりいろんな読み方をされるスナイデルもかわいそうだこと。)

ここからはオランダも無理をせず、勝つサッカーに徹してくれたため、日本にも何度かチャンスは訪れましたが、ペナルティボックス内まで侵入してシュートを打つようなビッグチャンスはほとんどなく、終了間際に長友がエリア内で倒されたプレイも、主審の紛らわしいジャッジで一瞬PKかとぬか喜びさせておいてただのゴールキック。残念ながら0-1で敗れました。

しかし、カメルーンよりも強い相手に対して守りはほぼ同様にできていたし攻撃も改善していたので、日本は進化、といわないまでもW杯に慣れて普段の力を出せるようになってきたな、という感じはしました。

ここで失点を1に抑えたことで、グループ勝ち抜け条件がデンマークよりも有利になったことが大きかった。


(3)そして今日のデンマーク戦。
前半立ち上がり10分は、あまりよくない時の日本のパターンになっているような気がしました。ショートパスをつなぐのではなく、よりリスクの低い前線へのロングボールを多用し、それがつながらず相手にボールを渡して受身になる。かくして、ボールは支配され攻められっぱなしになる。
この時間帯はデンマークもフィニッシュがぱっとしなかったので、ピンチも少なく助かりましたが。

これを続けていてプレッシャーに耐えられるか?と思い始めた矢先、松井、長谷部と立て続けにペナルティエリア内への走りこみ・シュートが出て、この攻撃は過去2戦にはなかったぞ、攻めの姿勢がいいじゃないか、と少しポジティブに見られるようになりました。その直後に今度はトマソンがきわどいシュートを放ち、ゲームは打ち合いの様相に。

とそのときに、本田のFKで驚きの先制点。

さらに、30分には遠藤のビューティフルFKで追加点と理想的な展開。

メディアでは本田の無回転FKが絶賛されていますが、この日の2本を比べれば、本田のFKはキーパーソーレンセンの目測ミスもあったのに対し、遠藤の方はどんなキーパーでもノーチャンスのすばらしいゴール。それも、今大会の公式球ジャブラニには各国のプレースキッカーも手を焼き、ほとんど打ち上げるようなFKばかりだったのを、美しい弾道で沈めた遠藤のキックは世界に誇れるゴールだったと思います。

デンマークは後半、長身のラーセン、若いエリクセンらを投入してさらに前がかりになるが、日本も粘り強く跳ね返して守り、攻めるときはしっかりフィニッシュまで持ち込み、互角な戦いを繰り広げます。PKで1点返されるも、終了間際に本田がゴール前で鋭い切り返しを見せてDFを振り切りフリーの岡崎へプレゼントパス、岡崎が難なく蹴りこんで決定的な3点目。そしてそのまま3-1でホイッスル!

試合展開、内容とも、安心してみていられるし、攻め合いで面白い。同格または格上のチームを相手に、面白い試合をして、しかも勝つという、近年の日本代表ではなかなか見られなかった、ベストマッチでした。

まあこういう試合になった要因をひもとくといろいろあって、

・デンマークは勝たないと決勝トーナメントに上がれない → 攻めざるを得ない → 日本にもチャンスが出る 、というシチュエーションだったこと。もし逆の立場でデンマークが引き分け以上でよかったなら、こういう展開にはならなかったでしょう。デンマークのほうが試合巧者ですから、「狙って引き分ける」戦いが十分にできたことだろうし、そういう相手を崩して勝つのは日本にとっては不得手。
そういう意味で、オランダ戦を1失点に抑えたことが本当に大きかった。

・今日の主審のジャッジは神経質で細かかった。大体、前半10分、20分ぐらいで遅延行為のイエローを出すなんて、前代未聞だ。遅延行為は後半の半分以上過ぎたあたりでしょう?まあこの2枚のイエローは日本に災いしましたが、それ以外は概ね日本にとって有利に働きました。たとえばちょっとしたコンタクトプレーでもすぐにオフェンスファールをとってくれたのは助かった。ベントナーなんて、普通にヘディングで競り合っただけなのにバンバンファールをとられていて、ちょっと可哀想なぐらいでした。

こうした背景もありつつ、やはり会心のゲームは会心のゲーム。いいぞニッポン!

大会が始まる前は「0勝3敗」という本を買って読み、きっとそうなるだろうと思っていたのに、「2勝1敗」とは望外もいいところ。

でもここまで来たらまた欲が出ます。決勝トーナメントは引き分け狙いがないので、基本的に今日のようなオープンな攻め合いのゲームになってもいいはず。日本代表には、ボールを小気味よく回しつつ、スペースに人が走りこみ急所にズバッとパスを通す、そんなサッカーを見せてほしいですね。

さてさて残る心配事はスペイン代表です。2戦目は勝ったものの、今夜のチリ戦で勝たないと、フランス・イタリアに続く優勝候補の敗退になりかねない。一方チリはフクアリで生観戦して以来、現代の流行とは一線を画す攻撃的で個人のアイディアを生かしたサッカーが気に入って、こちらもぜひ決勝トーナメントに上がってほしいチーム。うーん、ホンジュラスがスイスを負かしてくれないかなー。


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